永遠に記憶に残るであろう作品、ゲイリー・クーパーとマレーネ・ディートリッヒの「モロッコ」。
これはディートリッヒがハリウッドに進出して撮った第1作である。しかもこの 1本で世界の映画ファンを魅了した。名匠スタンバーグが作り上げたトーキー初期の最高傑作の一つだ。
アミー・ジョリー(マレーネ・ディートリッヒ)は、モロッコの酒場に流れ着いた歌姫だ。彼女は外人部隊の兵士トム・ブラウン(ゲイリー・クーパー)と知り合った。アミーを抱擁しながら、トムはいう。
M 「何か力になれないか」
F 「結構よ。そのセリフはもうたくさん。それとももう一度男を信じさせてくれる?」
やがて二人は恋に落ちるが、トムは富豪のラ・ベシェール(アドルフ・マンジュー)がアミーを愛していると知り、身を引こうとする。
M 「今まで多くの女と逢ってきたが、これから言うことは嘘ではない。10年早く逢いたかった」
トムがアミーに向かって言うセリフだ。そして出動する前に、楽屋のアミーの鏡台に向かい、置いてあった口紅で鏡に祝福する別れの言葉を書き残す。「僕の気持ちは変わった。お幸せに」 と。このシーンは何とも粋だ。
外人部隊の出発の太鼓の音が響く。荒涼とした砂漠に兵士たちの足音が次第に遠ざかって行く。後を追いかけて行く女もいる。
突然、アミーはハイヒールを脱ぎ捨て、熱砂の海を裸足でトムの後を追いかける。 はためく旗、風の音が・・・。
砂漠のシーンはカリフォルニアやメキシコで撮影されたが、このラストシーンの撮影中、ディートリッヒは暑さの余り、失神したそうだ。無理もあるまい、焼けるような砂の上を何度も裸足で走らされたのだから。
1930年 アメリカ・モノクロ 監督 ジョセフ・フォン・スタンバーグ 出演 ゲイリー・クーパー マレーネ・ディートリッヒ
小粋な巴里のにわか雨!! 「巴里祭」
F 「何しに来たの?」
M 「雨宿りに、さ」
F 「他にも軒下は沢山あるわよ」
M 「邪魔だっていうのかい?」
一足先に雨宿りしていた花売り娘のアンナ(アナベラ)のところへタクシー運転手のジャン(ジョルジュ・リゴー)が飛び込んでくる。二人の喧嘩腰のやりとりが微笑ましい。雨が取り持つ縁で二人は恋仲になる。そして・・・・・
名匠ルネ・クレールが情緒たっぷりに描くパリジャンとパリジェンヌの交流が何とも楽しい。
1933 フランス・モノクロ 監督 ルネ・クレール 出演 アナベラ ジョルジュ・リゴー
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