1943年製作のアメリカ映画。監督、ゾルタン・コルダ、主演はハンフリー・ボガート、ブルース・ベネット。サハラ砂漠を舞台にした戦争アクション。
この映画は第2次大戦北アフリカ戦線で本隊からはぐれた一台の戦車の戦いを描いた作品である。H・ボガート演じる軍曹が主役だが、本当の主役は“水”であろう。
砂漠の真ん中で戦車が立ち往生している。オイル切れ寸前のポンコツ戦車だ。ガン軍曹は二人の部下と少なくなった水を回し飲み。修理しても中々動かない戦車だが、やっとエンジンがかかる。
動き出す戦車は途中で撤退から取り残された英軍の負傷兵らに出会い、英兵らを戦車の上に乗せて出発。程なくイタリア兵を捕虜にして歩いている黒人兵に会う。捕虜を残して動き出す戦車、ひとり取り残されるイタリア兵は天を仰ぐ。空を舞う禿げ鷹。
停まる戦車から軍曹が「早く来い!」と捕虜を呼んでやる。やはり置き去りには出来なかったのだ。走行する戦車を上空から見つけたドイツ軍戦闘機が、執拗に攻撃してくる。全員戦車の下に潜り込むが、機銃掃射で英兵一人が重傷になる。戦車も応戦、敵戦闘機を撃ち落す。落下傘で降りてきた独兵を捕虜にして再び出発。水を求めてやっと辿り着いたオアシスは廃墟になっていた。重傷の兵は死亡、死亡者を埋葬して出発。
次の水のある場所は80キロ先だ。猛烈な砂嵐の中を戦車は進む。水と同様燃料もいつまで持つか分からない。やっと着いた水場はそこも枯れていた。一人の兵が確認のため井戸に降りていく。水は無いが地面が湿っている。見ると岩の隙間から水滴がポツリポツリ落ちている。彼はそれを手で受けて飯盒に溜めていく。気の遠くなる作業だ。
飯盒に水が溜まると今度はそれをバケツに入れる。バケツ一杯分の水を溜めるのに夥しい時間がかかる。それでも水を手に入れなければならないのだ。
その頃、ドイツ軍の一大隊が水を求めてこの地に近づいていた。彼らも水がないのだ。小休止中の戦車隊一行はドイツ軍を発見、激しい戦いが始まった。軍曹は戦いで捕まえた捕虜たちに水が一杯あるように見せかけて捕虜を放してやる。
敵の攻撃が止んだ。軍曹は敵の司令官と交渉、「銃と水を交換だ」と話をもちかけ、「あれを見ろ」と自分の陣地の方を指差す。兵士が水浴びしているように見せるが司令官は承知せず交渉は決裂、再び激しい戦闘になる。
部屋に閉じ込められていたドイツ空軍の兵士は味方に水がないことを知らせようと、脱走する。英兵の一人が気がついて後を追いかけ、二人は縺れ合って倒れる。そして起き上がった英兵は戻りかけたが撃たれて死ぬ。
一人また一人と味方の兵士は倒れて行く。あと残りは僅か数人、敵の司令官も銃弾に倒れた。だが、周囲は敵ばかり、軍曹が最後の決意を固めた時、不思議なことが起こった。突然銃撃が止み、手に持った銃を投げ捨てて降伏してくるのだ。軍曹はヤケになって叫ぶ。
「水をやるぞ!浴びるほど飲め!幾らでものめ!」
軍曹、振り返って?となる。何と着弾の衝撃で破壊された岩場から水が湧き出て大きな水溜りが出来ていたのだ。ドイツ兵たちは腹ばいになって水を飲んでいた。戦闘で死ぬ人もおれば水で助かる人もいる。
この映画は水の貴重さを教えてくれており、単なるドンパチの戦争物とは一味違う珍しい作品である。
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