「お熱いのがお好き」は禁酒法後期のアメリカを舞台に名匠ビリー・ワイルダーが作り上げた抱腹絶倒のドタバタ喜劇である。
禁酒法が施行され、酒の密売ギャングが横行した1920年代、29年2月14日には、シカゴでギャング同士の抗争で7人が殺害されるという事件が起こった。この聖バレンタインデイをヒントにして作ったのがこの作品である。
運悪く虐殺の現場に来合わせたバンドマン、サックス吹きのジョーとベース奏者ジェリー。命からがら現場から逃げ出した二人は、女装して追っ手のギャングから逃れるため女性ばかりの楽団に潜り込む。
厳冬のシカゴから真夏のマイアミ行きの列車に乗るため、二人は女装して駅に行く。そこに楽団のウクレレ弾きで歌手のシュガーが見事なモンローウオークで現れる。
レモン「見ろよ、あの歩きっぷり、バネ入りだ。---きっとモーターが付いてんだな、女にはなれんよ」
列車に乗り込むや、早速バンドのリハーサルだ。シュガーの歌はさすがに見事だ。洗面所でジョーはシュガーと顔を合わせる。シュガーは「私って駄目なの。サックス吹きに弱くって、騙されてばかり・・・」
ジョーの目が光る。
楽団禁止のウイスキーを持ち込み、時ならぬ酒盛りを始める一同。ジョーがジェリーを捜すと女たちに埋もれた中から顔を出す。ジェリーはご機嫌である。
かくして目的地に到着。ジョーは浜辺でシェル石油の御曹司を装ってシュガーに接近を図る。一方、ジェリーは金持ちのじいさんに追いかけられプレゼント攻勢をかけられる。宝石類はジョーが横取りしてシュガーに回す。
ジョーはシュガーの口説きに夢中、ジェリーはじいさんから逃げるのに必死、そんな最中、ギャング団がホテルにやって来た。青くなった二人は早速、逃亡を企てるが・・・
YouTube カーティスとレモンの女装ぶりが見もの
何と云ってもモンローが素晴らしい。特に訴えるように歌う、「アイ・ウォナ・ビー・ラブド・バイ・ユー」は絶品。カーティスは女装にあたってグレース・ケリーの真似をしたという。レモンは休憩中も演技を止めず、お尻を振って歩いたそうだ。
1959年 アメリカ・モノクロ 監督 ビリー・ワイルダー 出演 マリリン・モンロー トニー・カーティス ジャック・レモン ジョージ・ラフト パット・オブライエン ジョー・E・ブラウン
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